バタフライでタイムアップに必要なこと

【「バタフライは体の小さな選手には不向き」という説は本当か?】

バタフライスピードアップにおすすめのDVD 必要なのは体幹強化?テクニック?

水泳の指導者のなかには、「バタフライには恵まれた体格が必要」だと考えている方がいます。

 

バタフライは、他の泳法に比べて体力の消耗が大きく、また両腕で水を掻き出すために大きなパワーが必要になるためです。

 

長距離をバタフライで泳ぎきる体力、そして速いスピードを維持するだけのパワーを両立できるのは、それなりに恵まれた体格の選手だけだという説には一理あります。

 

また一般的に、バタフライで記録を伸ばすためには

  • 「上半身の強化」
  • 「ドルフィンキックの強化」
  • 「体幹の強化」

の3つのトレーニングが必要になるとも言われます。

 

つまり今までの水泳界において、バタフライは「恵まれた体格の選手が全身を強化して初めて成せる泳法」だと考えられていたわけです。

 

しかし「体格がある選手が有利」を「小さな選手には不向き」に置き換えるのは、あまりに短絡的だといえます。

 

確かに体格に恵まれた選手は、バタフライに向いているかもしれませんが、体が小さくともバタフライで活躍している選手はたくさんいます。

 

例えば、1998年の世界水泳選手権100mバタフライで銀メダルを獲得した青山 綾里選手は、なんと身長152pしかありません。

 

男子バタフライでは山本 貴司選手や瀬戸 大也選手が有名ですが、彼らの身長も170p台前半と、スイマーとしては決して大柄な選手ではありませんでした。

 

こうした事実は、バタフライにおいて体格は必ずしも必要不可欠ではないということの証明にもなっています。

 

【体幹や筋力の強化はそれほど重要ではない!?】

バタフライは4大泳法のなかで、最も大きなパワーを必要とする泳法です。

 

そのため、バタフライでスピードを上げるためには、体幹や筋力の強化が何よりも大切だと考える指導者も少なくありません。

 

先ほども少し触れましたが、一般的にバタフライには「上半身の強化」「ドルフィンキックの強化」「体幹の強化」の3つのトレーニングが必要だと言われています。

 

上半身の筋力を強化することで力強いストロークが可能に、ドルフィンキックの強化でスムーズな推進力を得て、体幹を強化して大きなうねりを生むことが可能になるわけですね。

 

確かに、これらのポイントを遵守して練習に励めば、それなりにタイムを縮めることも可能でしょう。

 

しかしこの3つの練習法は、結局「生まれ持った身体能力」に頼ってしまう結果になることにお気づきでしょうか?

 

実はこの3つ、言い方が違うだけで結局はどれも「筋力」を増強するプロセスに過ぎず、筋力量の勝負なら結局「体格が大きな選手が有利」という本末転倒な結果になってしまうんです。

 

もちろん、バタフライを泳ぐためには最低限の筋力や体幹は必要です。

 

勘違いしてはいけないのは、「その3つをひたすら伸ばしただけでタイムが縮まるほどバタフライは甘くない」ということです。

 

「上半身の強化」「ドルフィンキックの強化」「体幹の強化」は、あくまで最低限の基礎練習に過ぎないということを理解しましょう。

 

この事実に気付かず、「上半身の強化」「ドルフィンキックの強化」「体幹の強化」ばかりを続ける選手は決まって「バタフライで速く泳ぐことはできない」と悩みます。

 

筋力増強だけを続けていても、体格の大きな選手に勝つことはできませんので、それはごくごく当たり前の話だと言えますよね。

 

よりタイムを短くしたいなら、「速く泳ぐために必要なことは何か」ということを今一度考え直したほうがよいでしょう。

 

【バタフライを複雑化する傾向に待ったをかける】

バタフライのタイムを縮めるための必要なポイントはいろいろありますが、バタフライが苦手な選手の多くに共通しているのは「難しく考えすぎ」だということです。

 

他の泳法に比べると、動きが複雑に見えるバタフライですが、実はもともと平泳ぎから派生した泳法なので、そこまで難しくはないはずなんです。

 

バタフライを指導するとき、「上半身の動きはこう…」「下半身の動きはこう…」「腕はこの角度に…」と体の動きを分割して説明する指導者は多いと思います。

 

それは動きの仕組みを理解するためには、大切なことなのですが、教えてもらった側が「バタフライの動きを分割して覚えてしまう」というのが落とし穴になってしまいます。

 

上半身と下半身、腕と足と首でそれぞれ違う動きを…なんて覚え方をしてしまえば、脳が混乱してしまうのは当然のことです。

 

想像してみてほしいのですが、あなたはクロールや平泳ぎを行うときに「腕はこの動き、足はこの動き、首はこの角度で…」なんて考えながら泳ぎますか?

 

初心者のうちならまだしも、すでにマスターしている泳法で、そんなチマチマ考えながら泳ぐ人なんてどこにもいないと思います。

 

体の各部位の動きを分割して覚えるのではなく、「クロール」「平泳ぎ」という大きな動作の流れとして覚えているのが普通ですよね。

 

なんということはありません。

 

バタフライだって他の泳法と同じで、複雑な動作をチマチマ考えながら泳ぐ必要はないんです。

 

至極当たり前で単純なことなのですが、なぜかバタフライだけを複雑な泳法だと思い込んでしまっている選手が後を絶ちません。

 

バタフライの技術を磨き上げたいなら、まずは自分の脳内でバタフライを勝手に複雑化することをやめてみましょう。

 

【DVD「バタフライ・スピードアップ・プログラム」がわかりやすい】

イメージがわきにくいという方には、「バタフライ・スピードアップ・プログラム」というDVDをオススメします。

 

こちらのDVDは元短水路日本記録保持者の佐野 秀匡コーチが監修したもので、4大泳法のなかでもバタフライのブラッシュアップだけに特化したコンテンツとして話題になっています。

 

かねてより従来の「上半身の強化」「ドルフィンキックの強化」「体幹の強化」に疑問を持っていたという佐野コーチは、体格や筋力の強化だけに頼らないバタフライの技法について研究を続けています。

 

「バタフライ・スピードアップ・プログラム」は、佐野コーチの理論を一般選手にも分かりやすくまとめたもので、初心者から上級者まで多くのスイマーに役立つ上達プログラムに仕上がっています。

 

バタフライの練習法や、バタフライを「複雑に考えない」手法についても詳しく解説されていますので、バタフライに携わる選手には必ず観ておいてほしい内容です。

 

バタフライスピードアッププログラムDVDの詳しい内容はこちら

 

ちなみにDVDの内容を一部抜粋すると、

 

  • 初心者が身に着けるべき正しいストリームラインとは?
  • ドルフィンキックがどうしても水上に出てしまう選手の矯正法は?
  • 水を逃さない効率的なスカーリングを修得するには?
  • バタフライで入水時にやってはいけない手の動かし方は?
  • ダブルアームプルをさらに磨き上げるためのイメージは?
  • 第一キックを確実に修得するための訓練法とは?

などなど、かなり細かいポイントまで解説されていて驚きます。

 

クロールや平泳ぎには適用できない「バラフライ専用」の内容だからこそ、より実用的な上達プログラムに仕上がっているのでしょう。

 

北京オリンピックで活躍した中野 高選手や、アテネオリンピックで活躍した森 隆弘選手も推薦しているDVDなので、その内容の濃さはプロスイマーの折り紙付きです。

 

今回の記事ではバタフライ選手に必要なポイントを全てご紹介することはできませんでしたが、「バタフライ・スピードアップ・プログラム」には非常に重要なポイントがギュッと詰まっています。

 

バタフライの記録を伸ばしたいと考えている方は、ぜひ「バタフライ・スピードアップ・プログラム」を活用して練習に励んでみてくださいね。

 

バタフライスピードアッププログラムDVDの詳しい内容はこちら

関連ページ

水泳のs字ストロークとi字ストローク
水泳経験者なら一度は「S字を描くようにして泳ぎなさい」と指導された経験があるのではないでしょうか?これは専門的には「S字ストローク」と呼ばれる泳法の一種で、特にクロールで重要な考え方とされていました。しかし最新の研究で、S字ストロークは「少ない力で泳ぐ」ことはできても「最速で泳げる」わけではないということが明らかになりました。そこで現代水泳における最新の理論のおすすめDVDを紹介いたします。
自由形タイムアップを狙うには?
後半に失速する原因を特定するためには、「自由形スピードアップ・プログラム」というDVDを参考にするとよいでしょう。このDVDは水泳の練習用プログラムとして開発されたものですが、特に「後半での失速」に関する解説が手厚いのでかなり役立つ内容になっています。北京オリンピック男子メドレーリレーで銅メダルを獲得した佐藤 久佳選手が監修したDVDなので、そんじょそこらの上達本なんかよりはるかに勉強になります。
平泳ぎ女性向けタイムアップの方法とは?
女性スイマー向けの平泳ぎの方法を学びたいなら、「平泳ぎスピードアップ・プログラム」というDVDがオススメです。このDVDは完全に女性向けに開発された平泳ぎの練習プログラムで、なんと北京オリンピック100m・200m平泳ぎ代表の種田 恵さんが監修しているという貴重なものです。日本トップレベルの女性スイマーが、女性に適した平泳ぎのコツや練習法についてしっかりと解説してくれるという…かなり濃い内容のDVDとなっています。
背泳ぎ初心者の上達のコツ
背泳ぎ初心者を脱出するためには、空振りを始めとした「無駄」を排除することが大切です。無駄を省いた背泳ぎを体に覚えこませることができれば、そこから先は筋力や経験値といった間接的な要素でさらに成長していくことができるでしょう。総合的に背泳ぎの質を高めたいなら、「背泳ぎスピードアップ・プログラム」という練習用教材がオススメです。「背泳ぎスピードアップ・プログラム」はオリンピックや世界水泳で数々の実績を残してきた中野 高選手が監修したDVDなので、一般の水泳教室よりも質の高い練習に役立ちます。背泳ぎ上達におすすめのDVDです。
水泳フォームを矯正するには?
今回は、スイミングコーチの森 隆弘さんの指導法について皆さんにご紹介したいと思います。現在は「スイムクリニック」という水泳教室を開催し、スイミングコーチとして活躍しています。現役時代にも世界トップクラスの選手として知られていた森 隆弘選手ですが、コーチとなってからは「教え方がわかりやすい」「効率的にタイムを縮めることができた」とかなり評判になっています。その森 隆弘コーチの水泳スピードアッププログラムDVDを紹介いたします。
ドライランドトレーニング方法
プールに入るだけが水泳の練習ではありません。昔から「冬の時期はプールに入らずランニング練習」なんて水泳部も多かったように、陸上での練習にもしっかりと意味があるんです。陸上での水泳練習は「ドライランドトレーニング」と呼ばれ、近年になってその重要性が見直されつつあります。ドライランドトレーニングにも種類がありますが、筋力トレーニングやストレッチなどを行うことがドライランドトレーニングの基本です。そのドライランドトレーニングのおすすめのDVDを紹介いたします。
水泳のスタート・ターンのコツチェック表
水泳のレースでは、スタートとターンのテクニックが勝敗を分けることも珍しくありません。スタートで出遅れた選手がそのまま負けてしまったり、直線では勝っていた選手がターンの局面で一気に追い抜かれたり…なんてレース、何度も観たことがありますよね。せっかく才能があるのに、スタートとターンが下手で大成しなかったという選手が後を絶ちません。そこでトップ選手のスタートとターンが学べるおすすめDVDを紹介いたします。
水泳嫌いの克服法 子供編
水泳は「子供が嫌いな運動ランキング」にも度々名前が挙がるということをご存知でしょうか?水泳を習わせたいという親御さんの願いとは裏腹に、「水泳なんてやりたくない!」と考えている子供は珍しくないのです。水泳嫌いの子供を無理やり泳がせたところで「嫌なことを無理やりさせられた」というトラウマを作ってしまい、余計に水泳嫌いが増してしまう恐れがあります。そこで子どもを水泳好きにさせるDVDを紹介いたします。
水泳ストリームラインを改善する練習
水泳と姿勢には密接な関わりがあります。どれだけ筋力があっても、どれだけ体幹が優れていても、泳ぐ姿勢が悪い選手の記録は伸びません。もしもアナタが水泳の練習中に「姿勢が悪い」と指導された経験があるのなら、できるだけ早めに姿勢を矯正しておくのがベターでしょう。「泳ぎの姿勢」を正すと「見た目の美しさ」「タイムの短縮」の2つのメリットに恵まれます。そこで水泳の正しい姿勢が学べるおすすめのDVDを紹介いたします。